妊娠・出産・子育て
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感動の出産


分娩台の周囲に集まった医師や助産師が慌しい動きになってきた。
医師が妻のお腹の赤ちゃんを足方向に押している。
赤ちゃんは子宮の筋肉が収縮する事で出てくるのだが、それを補助しているのだ。

女性の産道の出口は赤ちゃんの体が通過するには狭いため、そのままだと裂ける場合があるため、あらかじめ切って出口を広げておくことで女性の体と赤ちゃんにかかるストレスの両方を緩和する。
これを会陰切開と呼んでいる。

この処置が行われれば、まもなく赤ちゃんが姿を現す事になる。
母親のお腹という真っ暗な中でこの世で生きていくための体に成長した赤ちゃんが、羊水とともに一気に外の世界に出てくる瞬間だ。
まさに感動のシーンである。

生まれた直後の赤ちゃんは肺が羊水で満たされているため、頭を下にして背中をさする事でその水を吐き出させる。
その時、大きな声で泣く事で最初の呼吸が始まるのだ。
つまり産声は赤ちゃんにとって呼吸が始まった事を意味する大切なものなのだ。

その後へその緒を切って、全身をタオルでぬぐってきれいにした後、分娩台で横になっている母親のお腹に赤ちゃんを乗せてくれる。
(これをカンガルーケアというらしい)

分娩直後の女性は出血などの危険があるため、2時間程度はそのまま台で横になったまま過ごさなければならない。

その間、助産師が両親と一緒の赤ちゃんの写真を撮ってくれたり、身長・体重を量ったりといった作業が続く。
分娩後、2時間を経過して特に問題がなければお母さんは一般病室に移動して、体力の回復を待つ事になる。



NICUへ入院


今回の出産は 38週目に入っていたため時期としては正常範囲ではあるのだが、生まれた子供は2,200gという低体重だったため、小児科医の勧めもあり 小児科のNICU(新生児の集中治療室)へ入院する事になった。

新生児にといって体重は極めて重要な要素である。

ただでさえ体温調整が困難な体に、さらに体重が少ないとなれば内臓機能や呼吸など全ての面が弱い事を意味するからだ。

生まれた子供は我々両親が抱く前に別棟にある小児科へ移された。
後で訪れてみると、子供は透明な保育器に入れられ、点滴の管や栄養チューブなどがつながれたイタイタしい姿になっていた。

新生児の手に針を指すのは確かにカワイソウ。
でも、それが必要なのにしないで放置するのはもっとカワイソウ。



この子供は何かの病気や障害を持って生まれた訳ではないけれど、低体重という事で抵抗力が弱いのは確かなようで、その事が原因で検査の数字が異常値を示しているようだった。

NICUは、両親といえども面会時間が決まっている。
1日のうち午後1時間づつの2回だけ。

最初の1週間は妻が同じ病院に入院していたため面会を兼ねて子供に会う時間を作ったとはいえ、生まれたばかりの子に思ったように会えない。
これは私たちにとって大きなストレスだった。


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